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従来の限界を超えた「折紙工学」の新技術

【研究名】折紙工学

2017年11月17日

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飲料用の缶から人工衛星まで
さまざまな産業に応用される折り紙の技術

日本の伝統文化の一つである「折り紙」。平面から多彩な立体を創り出すことのできる折り紙の技術は、「折紙工学」という分野として研究開発が進み、さまざまな産業に応用されています。
身近なところでは、飲料用の缶やペットボトルの表面に施された「吉村パターン(ダイアモンド・パターン)」という折り構造。ひし形の折り目をつけることで、薄く弱い素材でも高い強度を手に入れられます。
また、航空機や人工衛星、建築にも広く使われている「ハニカムコア」という構造は、折り紙を貼りあわせて作る七夕飾りに着想を得て開発されたと言われています。
明治大学理工学部の石田祥子専任講師が開発した新技術では、従来は折り畳むことのできなかった形状に折紙理論に基づいた折線を入れることによってその伸縮を実現しました。

従来の限界を超え、さまざまな折り畳み形状の設計を実現した新技術

これまでの折紙工学の折り畳む技術では、円筒や円錐のように軸が真直な形状でなければ折り畳むことができませんでした。しかし石田専任講師の新技術では、複雑に曲がった形状でも折り畳んで縮めることが可能に。従来技術の限界を突破し、折り畳みの形状デザインの自由度を高めることに成功しました。

新技術で表現できるようになった折り畳み形状とは? その仕組みも解説

新技術によって伸縮が可能となったのは、いったいどのような形状でしょうか。
1:曲率が一定な「ドーナツ型」の筒(トーラス)
2:徐々に曲率が変化する「うずまき型」の筒
3:3次元的に曲がりくねる「3次元らせん型」の筒
4:径が変化する「先が曲がった円錐型」の筒

答えは、1~4のすべてです。
石田専任講師の研究によって、さまざまな形状の伸縮が実現しました。

その仕組みは、折紙理論で説明できます。たとえば以下のように、従来のドーナツの展開図(図左)では折り畳むことができませんが、折紙理論に基づく折り畳みの条件を満たすように折線(図右)を加えます。このように、展開図に折線を加えるだけで、立体の伸縮が可能になるのです。

新技術によるドーナツ型の筒と、従来技術の円筒型を組み合わせることも。

うずまき型の筒は、外側にいくほど曲率が小さくなっています。この新技術では、中抜きの形を徐々に変化させることで、異なる曲率をもった筒の折り畳みを実現しました。

このほか、3次元らせん型の筒や、先が曲がった円錐型の筒も、石田専任講師の研究によって折り畳みが可能になりました。

さまざまな形状パターンの他に、切り抜き不要の展開図も新たに開発されました。従来の折り方では展開図の一部を切り抜く必要がありましたが、その部分に折線を入れることで、そのまま折り畳むことが可能に。下図のように、一部を折り畳むとドーナツ型、すべて広げると円筒になる複雑な立体が、平面図を切り取らずに完成します。

自由度の高い折り畳みの新技術、あらゆる分野での活躍に期待!

1枚の平面から設計される、伸縮可能な立体。この研究は、いろいろな場面への展開が期待できます。たとえば、特定の形で使いたいけれど、それ以外では小さくしたい場面。移動や輸送、保管、収納、など。あるいは、伸縮する機能を活かして、ロボットの形状設計やファッション性のあるデザインなどにも応用できるでしょう。用途や素材・形状など、ご要望に応じて最適なご提案を行いますので、是非お気軽にご相談ください。

石田 祥子Sachiko Ishida
明治大学 理工学部機械工学科 専任講師
設計工学・折紙工学
http://www.isc.meiji.ac.jp/~sishida/home.html

課題に適した研究のご紹介だけでなく、ご要望に合わせた技術活用の提案も行っております。具体的には決まっていない段階でも、まずはご相談ください。その他、知的財産の管理・活用、産学官連携に関連するお問い合わせも承ります。ぜひお気軽に、お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。

 

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Seadasがこの研究を通して実現したいSDGsの目標

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略。全17カテゴリで定められた目標のうち、この研究によっても貢献が期待されています。
クリーク・アンド・リバー社は、持続可能な「未来の社会」のためにオープンイノベーションを加速させ、SDGsに寄与していきます。

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